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中央委員会であいさつする連合の芳野友子会長=2024年10月3日、東京都荒川区、北川慧一撮影

 労働組合の中央組織・連合は3日、来年の春闘について幹部会合を開き、本格的な議論を始めた。33年ぶりの高水準となった今春闘の賃上げを継続するため、統一要求としてどのような目標を掲げるのか。石破茂政権も賃上げを重視するなか、連合の対応が注目される。

 連合は今春闘で、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げの目標について、統一要求を「5%以上」とし、昨年の「5%程度」から表現を強めた。

 今年は、物価が下がり続けるデフレからの脱却を掲げて労使の代表がともに賃上げを求める異例の春闘になった。大手を中心に、労組の要求を上回る「満額超え」の回答も相次いだ。連合がまとめた最終集計は、平均5・91%の要求に対し、企業からの回答は5・10%を記録。5%台は33年ぶりの高水準だった。

 芳野友子会長は3日の取材に、来春闘の目標値は「これから議論するので具体的な数字はコメントを避けたい」としつつ、「ステージ転換をしっかり着実にする上で、今年を上回るような状況にもっていくことがとても重要だ」と述べた。

広がる大手と中小の格差

 傘下の産業別組織には、今春…

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