政務活動費から「市政だより」発行費用を支払いながら、年度をまたいで半年以上たっても印刷すらされていない――。
札幌市議会の会派「日本維新の会」で発覚した不祥事を巡り今月、約240万円が市に返還される。政活費の使途のチェック体制は、どうなっているのか。
維新は2議員を処分
返還されたのは、いずれも1期目の坂元倫孝氏と荒井勇雄氏が2023年度の政活費から支出した「市政だより」の印刷・配布費用など。坂元氏は154万円、荒井氏は約77万円を23年度末に業者に先払いしたが、23年度内に完了しなかった。坂元氏は24年8月までに配布したとしているが、荒井氏は24年11月末までに印刷さえしていなかった。
維新の会北海道総支部は匿名の告発を受けて調査を始めた。「予算の根拠もあいまいで、不適正な支出」「市民が疑念を抱く可能性がある」などと結論づけ、12月には坂元氏と荒井氏の離党勧告処分を発表し、政活費の返還も求めていた。2議員はすでに離党した。
成果物ないのに…なぜ経費は通った?
市議会事務局によると、政活費は報酬とは別に、議員活動の必要経費の一部として会派に対して交付するもので、1議員あたり月額40万円。「年度内の執行」が原則で、余れば返還する。使途基準などは市の条例・規則・要項で定められ、執行や経理は会派が責任を持つ。支出に関係する資料・記録書類も会派や議員が保管する。
23年度に全68人の市議か…