記者会見に臨む阿部俊子・文部科学相=2024年10月11日午前10時42分、東京都千代田区、島崎周撮影

 札幌市の小学生男児が中学生の男子生徒から性暴力を受けた事件をめぐり、阿部俊子文部科学相は11日の閣議後会見で、市教育委員会や学校に対して「(事案についての)自らの対応を見てもらい、再発防止に全力を尽くしてほしい」と述べた。

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 今回の事案について、市教委は性的ないじめを受けたとして、いじめ防止対策推進法の「重大事態」と認定。第三者委員会による調査報告書が8日に公表され、対応や支援が教頭のみの判断で行われ、組織的な対応ができていなかったことや、被害児童に対しての支援が不十分であったことなどが指摘された。

 阿部文科相は11日の会見で、性被害について「本当に重要な課題であると共に、子どもたちに対する影響が大変大きいと考えている」。いじめの重大事態の調査に関するガイドラインを8月末に改訂し、組織的対応の必要性を明確化したことを挙げ、「いじめの組織的対応などを推進しているところで、各教育委員会や学校に対して丁寧に情報発信を行うなど、周知徹底に取り組む」と話した。

 阿部文科相の発言を受け、市教委の担当者は「大臣の発言を重く受け止めます」とした。男児の母親は「報告書公表後も市教委や学校の対応からは子どもの心身への影響が甚大である認識や危機感をまるで感じません」と訴えた。(島崎周、古畑航希)

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