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マリスト国際学校3年の木原白桃さん

 高校生・高専生が自由研究の成果を競うコンテスト「JSEC(ジェイセック)2024(第22回高校生・高専生科学技術チャレンジ)」の最終審査会が24年12月上旬、日本科学未来館(東京)で開かれた。全国173校705人から過去最多となる404研究の応募があり、高く評価された35研究について最終審査会で成果が発表された。上位入賞した12研究は、25年5月に米国・オハイオ州コロンバスで開かれる世界大会「リジェネロン国際学生科学技術フェア(ISEF=アイセフ)」に日本代表として派遣される。

【文部科学大臣賞】マリスト国際学校3年 木原白桃(きはら・もも)さん

 字を見たり、音を聞いたりすると、視界や頭の中に赤や黄色などの色も一緒に浮かぶ「共感覚」。その特殊な感覚について「特定の生まれ持った人しか現れない」との定説を覆す可能性を明らかにした。その謎を解くカギは、小学5年から熱中する競技かるたの世界にあった。

 競技かるたは、小倉百人一首の上の句が読まれる間に、下の句の札を相手より早く取ることを競う。「春」など同じかなや言葉で始まる上の句が複数あるため、下の句を1枚に絞れる「決まり字」を覚え、聞き分ける必要がある。

 どうしたらより早く取れるのか。試合後、相手選手との感想戦で「詠みでピンクだったから(ピンクが見えたから)早く取れた」といった話を聞くことがあった。競技と関わりの薄そうな色を感じている選手が多いと気付いた。

 自身も幼少期から、文字が色づいて見えるなど共感覚がある。ただ先行研究では、共感覚を持つのは人口の4%で、学習や経験を通じて後天的には獲得できないとされてきた。

 競技かるたの選手には、共感…

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