紙の本が売れない時代といわれ、街の書店が減少する中、小規模でこだわりの本を置く「独立系書店」を開く若者らが全国的に増えている。高松市中心部のアーケード商店街でも先月、20代の夫婦が「本屋さんを開く夢」を形にした。
「想像以上にお客さんが入ってくれています」
平日の昼下がり、書店「絵と本 羊雲(ひつじぐも)」の店主、福井智恵美さん(26)が、お客さんに対応しながら、声を弾ませた。
間口は約2.4メートル、お客が10人も入ればいっぱいになる店は11月16日、ことでん瓦町駅にほど近い高松南新町商店街に開店した。
この商店街を含めた総延長約2・7キロに及ぶ同市のアーケード商店街に書店は2軒で「新規出店は18年ぶり」(商店街関係者)という。
新刊と古書を一緒に
書棚や陳列棚に並ぶのは、新刊と古書が約500冊ずつ。街の書店では定番の雑誌コーナーはなく、美術書や文芸書が多い。
特徴は、日本画家でイラストレーターでもある福井さんが描いたメルヘンチックな「ポップ」(本の内容を紹介するカード)や看板。2階のギャラリーでは福井さんらの作品を展示販売する。
通りがかりに入ったという大学生の女性(22)は「本屋は堅めというイメージだったけど、ふわふわした感じで、ときめきました」と話した。
開店のきっかけは、今夏に結…