9月8日付朝日歌壇の入選歌40首をお届けします。選者は馬場あき子さん、佐佐木幸綱さん、高野公彦さん、永田和宏さんです。☆は共選作です。
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馬場あき子選
Je te veux(大好きよ)小指絡ませ言ってみる日本語ではまだ上手く言えない(京都市)長谷川恵子
☆一日に一回「愛の挨拶」を弾いて心を透き通らせる(富山市)松田 わこ
「車輪の下」読みしは高一夏なりきヘッセが生きていたとは知らず(大和郡山市)四方 護
日本の柔道敗れて欧州のフェンシング敗れてパリは快晴(長岡市)加藤 教
蟬しぐれ僧は告げけり疎開子に原爆孤児になりたることを(アメリカ)大竹幾久子
☆黒シャツに白の細タイしゃれてたな楸邨(しゅうそん)教授の俳句の授業(男鹿市)清水 玲子
ブラインド下げずに過ごす田舎の夜今宵はアンドロメダが爽やか(五所川原市)戸沢大二郎
暑さにて歪むレールを手作業で氷で冷やす鉄道員の夏(石川県)瀧上 裕幸
息を吐(つ)くだけで終日もぐつても熱いプールにげんなりの河馬(かば)(浜松市)松井 惠
勝手口側の木斛(もっこく)要注意山雀(やまがら)家族育児中です
(津市)海住 秀子
【評】第一首はJe te veux(ジュ・トゥ・ヴー=大好きよ)という直な打ち明けも仏語だから言える。小指絡ませの具象が生きて、下句の素直な表現が好感につながる。第二首は曲名に託した思いもあるだろうか。若くさわやか。第三首のヘッセ、筆者も驚き。
佐佐木幸綱選
スケボーの解説「すげー」「…