「おーっ、朝日の新弟子。飲め!」

 本場所中の国技館。間もなく最初の取組が始まる午前8時前。その記者室で、赤ら顔のじいさんが僕を手招きし、茶わんを差し出してきた。

 じいさんなんて呼んじゃいちゃいけません。この方は、サンスポの往年の名物記者・鷲尾浩佑さん。当時、とうに70は過ぎていたろう。

 なぜ、70を過ぎた元記者が…

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