第18回朝日杯将棋オープン戦(朝日新聞社主催)の本戦が19日、名古屋市港区の「ポートメッセなごや」で前日に続いて行われ、服部慎一郎六段(25)が4強進出を決めた。
対局観戦と大盤解説会に約500人が参加した公開対局。午前の1回戦で藤井聡太名人・竜王(22)=王位・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ七冠=が阿久津主税(ちから)八段(42)に、服部六段が丸山忠久九段(54)に、それぞれ勝利。午後の2回戦(準々決勝)は、服部六段の作戦に意表をつかれた藤井名人が長考を余儀なくされる展開に。攻防で好手を連発した服部六段が熱戦を制した。大盤解説会に出演した木村一基(かずき)九段(51)は「服部六段の日頃からの研究が生きたのだと思います。2024年度、8割台の高勝率を維持し続け、充実している服部六段の良い所が出ましたね」と2回戦を総括した。ファンの前で服部六段は「連勝できるとはあまり思ってなかったので、自分でも驚いている。2局通して自分らしく粘り強く指せたのかなとは思っています。次局以降も頑張れるように、また今日から研鑽(けんさん)を積んでいきたいと思います」と話した。藤井名人は「(2回戦の)序盤はこちらが認識不足と。(51手目)▲5四銀から(53手目)▲7五歩と突かれて、(こちらが)かたまってしまったので……。全体として厳しい展開だったかなと思うんですけど。途中は、うまくバランスをとれれば、まだ戦いが続きそうかな、と思っていたところもあったので、最後、崩れてしまったのは残念かなと思います」「2局通して、秒読みになってから、うまく指すことが出来なかった。秒読みになったところでバランスを崩してしまうことが多かった。実力不足だったかなと感じています。きょう感じた課題をしっかり改善できるように頑張っていきたいと思います」と話した。
前日の佐々木勇気八段(30)に続き、服部六段も朝日杯の4強入りは初めて。残る4強進出者は23、24の両日に1人ずつ決まる予定。準決勝と決勝は2月11日、東京都千代田区の有楽町朝日ホールで公開対局で行われる。