復活した探査機SLIMが送ってきた月面画像。これまでの画像と比べて全体的に明るい=JAXA提供

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)は24日、「休眠」していた月探査機SLIM(スリム)との通信が再開したと明らかにした。マイナス170度の極寒の「月の夜」を生き延びる「越夜」に成功するのは、3月末に続き3回目。撮影した月面画像も送信してきた。

 JAXAによると、SLIMが再起動したのは23日夜。前回は3月30日に休眠に入ったため、約3週間ぶりの復活となった。再起動したタイミングは、これまでで最も早い月齢だったため、太陽がほぼ真上から差し込んでいる。撮影した画像も全体的に明るく、影も非常に短いことが見てとれる。

 月面では、太陽の光が当たる状態と当たらない状態が約2週間ずつあり、当たらないとマイナス170度ほどになる。SLIMは過酷な環境に耐えられる設計になっておらず、稼働できるのは数日と見込んでいたが、着陸から3カ月以上たっても探査を続けるたくましさを見せている。

 一方、月面の岩石調査に使う特殊カメラは、2月末に復活して以降、正常に動いていない。電源は入るが、撮像ができていない状態だといい、プロジェクトチームが観測できないか試みるとみられる。

 プロジェクトチームは24日…

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