写真・図版
JA紀北かわかみPR隊リーダーの「かきたん」も駆けつけた柿の箱詰め式=2024年7月26日午前10時14分、和歌山県かつらぎ町妙寺、大野博撮影

 和歌山県内の柿の産地のトップを切って、「樹上脱渋(だつじゅう)」を施したハウスものの種なし柿「刀根早生(とねわせ)」の今季の出荷が26日、かつらぎ町で始まった。

 町内にあるJA紀北かわかみの妙寺選果場に運び込まれたのは、収穫前の7月初めに実にポリ袋をかけ、固形アルコールを入れて渋抜きをした柿。収穫後にガスで渋抜きをした柿に比べて糖度が高く、ほどよくやわらかくて食感もまろやかだという。

 生産者の高齢化で、酷暑の中のハウス内での作業が難しくなっており、町内にかつて最大15戸あったハウスもの樹上脱渋柿の生産者も、現在は1戸になった。その1戸も、燃料価格の高騰もあって、今年限りでハウス栽培から撤退するという。

 同町産のハウスものの柿は、ほぼ全量が東京の大田市場に出荷され、27日から競りにかかる。JA紀北かわかみの宮本幸博組合長は「最後にふさわしい良い出来栄えの柿を、全国津々浦々に届け、多くの方々においしく味わっていただきたい」と話している。(大野博)

共有