書店の減少に歯止めがかからない問題を解決しようと、経済産業省が要因や課題をまとめた。図書館やインターネット書店との競合に加え、返本のしやすさが、かえって書店の利益を押し下げているなどと指摘。今後、図書館とのすみ分けや、流通慣行の改善といった対策の検討をすすめる。
経産省の「書店振興プロジェクトチーム(PT)」が4日、書店を取り巻く現状を公表した。SNSの普及などで「活字離れ」が深刻になっており、各地の図書館が、新刊やベストセラー本を過度に納入している点や、ネット書店の隆盛も地域の書店の経営を圧迫しているとした。
書店側が出版元に自由に返品できる「委託配本制度」で経営リスクが抑えられている一方、粗利益が約22%に抑えられている点も課題だという。また、キャッシュレス決済の普及で、手数料の負担が重くなり、現金が手元に入るまでの間に資金繰りが悪化するケースもあるとも指摘した。
公益社団法人「全国出版協会…