チームの得点を喜ぶ東九州龍谷の忠願寺風来(左)と莉桜=2025年1月7日、東京体育館、岩佐友撮影

 (7日、全日本バレーボール高校選手権 女子準々決勝 共栄学園2―0東九州龍谷)

 準々決勝で敗れた東九州龍谷の3年、忠願寺風来(ちゅうがんじかえら)と妹で1年の莉桜(りおん)は涙が止まらなかった。

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 「自分たちの勝ちパターンに持ち込めなかった」と風来。

 第1セットの途中までは風来のブロックや莉桜のスパイクでリードしたが、終盤に強打を止められて、共栄学園に逆転された。第2セットも流れを変えられず、ストレート負けした。

 Vリーグの選手だった父の影響で、2人は幼少期からともにプレーしてきた。

 莉桜は「お姉ちゃんと一緒に春高に出たい」と昨春、東九州龍谷に入学。1年生ながら高校屈指のアタッカーとしてチームの中心になった。

 風来は自分よりも妹の実力が上だと認める。

 「私は莉桜と比べられることが多いけど、プレー面ではブロックくらいしか競い合えるところはない。でも声は出せる」

 この日も苦しい展開の中で、誰よりも大きな声で、仲間を鼓舞した。

 試合後、並んで取材に応じた2人。風来が「これから2年間『エースならこうだ』って言われ続けて、苦しいこともあると思うけど、それでも莉桜がエース。今日の悔しさを忘れずに絶対、来年も再来年もここに戻ってきて、日本一になってほしい」とエールを送ると、莉桜は「マイナス思考になった時にいつも声をかけてくれた。感謝の気持ちと今日の悔しさをぶつけて、日本一を取りたい」と誓った。

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