春闘の賃上げ率と給与の上昇率

 労働組合の中央組織・連合が最終集計した今春闘の賃上げ率は5.10%となり、33年ぶりの歴史的な高水準となった。ただ、労組の組織率が下がる中、直接恩恵を受ける働き手は一握りだ。持続的な賃上げには、春闘の効果を社会全体に波及させる必要がある。

  • 歴史的な5%賃上げは一握り 揺らいだ「春闘の機能」、取り戻す道は

 「物価高と人手不足に加え、多くの労組で昨年を上回る要求を掲げ、しっかりと交渉した結果だ」。連合の仁平章・総合政策推進局長は3日の会見でこう振り返った。

 今年の春闘は、労組だけでなく、経団連などの経営側も賃上げの必要性を強く訴える異例の展開だった。要求自体が歴史的な高水準となり、満額回答が相次いだほか、ベースアップが11.8%に上った日本製鉄など労組の要求を超える大企業の回答も目立った。

 ただ、社会全体の賃金の底上げにつながるかは見通せない。

春闘集計、厚労省統計と差異

 連合の集計対象は、労組があ…

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