NHK放送センター=東京都渋谷区

 大みそかの「第75回NHK紅白歌合戦」で、歌手・星野源さんが歌う楽曲が「地獄でなぜ悪い」から「ばらばら」に変更されたことについて、同局の大塚信広・制作統括は30日、報道陣に「反響があったので、受け止め、星野さんサイドとしっかり協議をした上で、総合的に判断して曲目の変更に至った」と話した。

 東京・渋谷のNHKホールで行われた、紅白歌合戦のリハーサルの合間の取材会で、報道陣の質問に答えた。

 本番の「ばらばら」のパフォーマンスについては、「自信をもってお届けできると思います」と述べた。

 星野さんの「地獄でなぜ悪い」は、星野さんも出演した園子温監督の同名映画の主題歌。園監督を巡っては、俳優に性行為を強要したとする週刊誌報道があり、その後、園監督が「事実と異なる点が多々ある」とし、ネット記事削除などを求めて発行元を提訴。裁判は昨年12月に和解が成立し、記事は削除された。

 紅白の曲目が発表された23日以降、この曲を歌うことを疑問視する声がSNSなどで相次いだ。NHKは26日に、「ばらばら」への変更を発表した。

 星野さんは同日、自身の公式サイトでコメントを発表。「地獄でなぜ悪い」は自身がくも膜下出血で倒れ、その闘病期に生まれたものだとし、「映画のストーリーを音楽として表現したものではない」などと説明。一方で、紅白での歌唱が「二次加害にあたる可能性があるという一部の指摘について、その可能性を完全に否定することはできない」などと記した。

 園監督は28日、個人事務所のサイトで、和解した経緯の説明などを含む声明を発表した。

 また、韓国の務安(ムアン)国際空港で旅客機が着陸に失敗して炎上し、179人が死亡した事故があったが、NHKは「(紅白の)番組の内容や出演者については変更の予定はありません」とコメントした。今回の紅白には、韓国のグループ「ILLIT」「LE SSERAFIM」「TOMORROW X TOGETHER」「TWICE」が出場予定。

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