旦過市場に設置される新学部「情報イノベーション学部(仮称)」のイメージ

 北九州市立大学は31日、新学部「情報イノベーション学部(仮称)」=情報エンジニアリング学科、共創社会システム学科で入学定員118人=を、同市小倉北区の旦過市場内に設置すると発表した。市場では防災などのため、再整備事業が進められており、新しく整備される建物に入る。開校は2027年4月。

 新学部は情報工学の先端技術を学べる「情報エンジニアリング学科」と、GX推進や地域社会の課題解決に寄与するデジタル人材育成をめざす「共創社会システム学科」からなる。

 地元企業による講義や長期インターンシップといった実践的な教育のため、同大は、地元IT企業などとの連携がとりやすい都心部での立地を希望。同大は、新学部の都心部設置による経済波及効果は10年で約32億円と試算している。市場側からも、施設整備費の負担減となるだけでなく、「にぎわいづくりにつながる」として期待する声が上がっていた。

 会見で、北九州商工会議所会頭でもある同大の津田純嗣理事長は「学生に充実した学びの場を提供するだけでなく、都心部のにぎわいや街の発展にも貢献できると考えている」と話した。旦過市場商店街の中尾憲二会長は「2度の火災があり、再整備も控え不安が大きかった。新学部設置は、次の100年に市場をつなげていく上で大きな推進力になる」と期待を込めた。

 市場の再整備事業は、現在ある店舗を今夏から順次取り壊す予定で、同大は川沿いに整備される建物に入る。5階建てを想定し、1階に店舗、2~5階に同大が入る。今年度中に基本設計を終え、26年度に着工。あわせて国への認可申請を予定しているという。

 事業費は約18億円を見込む。デジタル分野の人材育成強化をはかる国の補助事業を活用し、地元負担金はそのうち4.5億円。寄付などでまかない、不足分は市の予算措置が必要となる。土地取得費には別に約2億円が必要で、費用負担については、今後市場側と協議するという。(城真弓)

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