防衛省

 木原稔防衛相は31日~6月3日にシンガポールを訪問し、「アジア安全保障会議(シャングリラ・ダイアローグ)」(英国際戦略研究所主催、朝日新聞社など後援)に出席する。米国や中国との防衛相会談を調整しているが、最大の焦点は期間中に行われる日韓防衛相会談だ。5年半前の韓国軍艦艇による海上自衛隊機への火器管制レーダー照射問題をめぐり、再発防止策で合意できるかが課題となっている。

 「合意文書の策定について継続的に議論を進めている。今後の再発防止策を焦点に検討されている」。レーダー照射問題をめぐり酒井良・海上幕僚長は28日の記者会見でこう強調した。

 2018年のレーダー照射問題では、日韓は真っ向から対立。日本側は韓国海軍駆逐艦が海上自衛隊哨戒機に対し、砲弾やミサイルを発射する前に狙いをつける火器管制レーダーを照射したと主張。一方、韓国側は照射そのものを否定し、自衛隊機が危険な低空飛行をしたと反論した。

 韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)政権のもと昨年6月に3年半ぶりに行われた日韓防衛相会談では、再発防止策を含めた協議を加速させることで一致。日本としては日韓関係が良好な尹政権のうちに再発防止策で合意し、レーダー照射問題で途絶えている日韓の制服組幹部などの防衛交流を促進させたい考えだ。酒井氏は会見で「早期にこの問題を乗り越え、日韓の防衛交流を深めることが重要だ」と語った。

 ただし、事実認定を棚上げに…

共有
Exit mobile version