今年上半期の日本近海の海面水温は、1982年以降の観測史上で最も高かったことが、気象庁のデータから分かった。北海道沖の太平洋でとくに高く、地球温暖化で海水温が底上げされたことに加えて、黒潮の異常な流れが影響していると専門家は指摘する。

コンブ漁の出漁に向けて北海道根室市の沖に集まる漁船=2024年6月、山本智之撮影

 朝日新聞は、北は北海道、南は台湾の東側まで、日本に近い10海域について、平均海面水温のデータを気象庁から提供してもらった。船や人工衛星などからの計測データを組み合わせたもので、43年前からおおむね10日ごとに記録されている。

 データによると、今年1~6月の温度は平均18.44度で、これまでで最高だった1998年の18.18度を上回った。「平年値」とされる1991~2020年の平均と比べて1.06度高い。

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 とくに温度上昇が激しいのが北海道の東に広がる海域だ。今年上半期の水温は平均8.11度で、平年より2.38度も高い。これまでで最高だった23年の7.38度を約0.7度上回った。東北沖の海域も平均16.92度と平年を2.10度上回り、過去最高だ。

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日本近海の10海域と黒潮のルート

 一方で、沖縄付近や台湾東側の海域は、平年より高い傾向ではあるものの、北海道や東北沖の海域ほどははっきりしていない。

北上する黒潮、地球温暖化との関係指摘も

 原因について海洋研究開発機構の美山透・主任研究員(海洋物理学)は、黒潮の異常な流れを指摘する。

 黒潮には南の暖かい海から熱…

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