日本で唯一、凍った海の上を走ることができる氷上マラソン大会の運営のため、主催者が初めてクラウドファンディング(CF)を始めた。目標額は100万円という。
人口約1万4千人の北海道別海町が舞台の「別海アイスマラソン」(2月9日開催)。コースとなる野付湾は水深の浅い内海で、厳冬期になると全面が凍る。第3回の今年は、42キロ(参加料4万円)、16キロ(2万8千円)、4.2キロ(18歳以上1万円)の個人の部のほか、リレー部門も設ける。
人口減少が進むなか、地元有志らが地域を盛り上げ、新たなスポーツ文化を作ろうと大会を支えてきた。マラソン大会として参加料は高額だが、運営は赤字が続いている。零下20度になることもある壮大な自然の中でのアドベンチャーレースゆえ、医療やコース設営などで安全な管理体制を構築するには費用がかさむという。
実行委員長の吉田貴広さんは「野付湾は、蜃気楼(しんきろう)の一種である『四角い太陽』が観測でき、北方領土を間近に感じられる特別な場所。大会を継続して、たくさんの方に別海町ならではの魅力や価値を体験して欲しい」と話す。レースでは地元産食材の補給食が振る舞われるほか、大会後には地元漁師らの協力で「ホタテ料理食べ放題」付きのパーティーもある。
「氷上マラソン」といえば、世界的には南極マラソンが有名。ただし、日本から参加するには数百万の費用がかかるとされる。中標津空港からの交通アクセスが良い別海アイスマラソンは、欧米などで人気が高まっている「アドベンチャートラベル」の観点からも注目されている。
寄付はCF事業者CAMPFIREの特設ホームページ(https://camp-fire.jp/projects/806933/view)から。