邦画界の祭典、栄冠はどの作品に輝くか――。あす14日、日本アカデミー賞の授賞式があり、候補作の中から最優秀賞が発表されます。今回は独立系映画の活躍が目覚ましく、人情時代劇「侍タイムスリッパー」は異例のロングランヒットを記録。京都を拠点に活動し、本作を生んだ安田淳一監督(58)に来歴と抱負を聞きました。

京都出身の映画少年「不思議な気分ですわ」

 笑いあり涙あり、人情味あふれる傑作は全国の劇場で拍手がやまず、公開半年で観客動員70万人に迫る。自主制作にして日本アカデミー賞の優秀賞に7部門で選ばれ、14日に最優秀賞に輝くか注目される。「なんか不思議な気分ですわ」

 京都府南部・城陽市の米農家に生まれた。小学生の時に「スター・ウォーズ」を見て夢中になり、高校の柔道部時代はジャッキー・チェンに憧れた。大学生になり結婚式などのビデオ撮影業を始め、「お客さんに喜んでもらえる映像を撮るのがプロの仕事」と思い知る。

 大衆の心をつかんだ伊丹十三…

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