国内外を問わず、多くのファンや選手に影響を与えたサッカー漫画「キャプテン翼」の連載が4月で終わった。連載が始まった1981年には日本にプロリーグもなく、ワールドカップ(W杯)出場は夢物語の時代だった。いまや現実の世界が主人公、大空翼を追い抜く形で7大会連続でW杯に出場している。作者の高橋陽一さん(63)にスポーツへの思いや、翼と自身のこの先について語ってもらった。
連載終了は大きな決断だった。体力の衰えやデジタル化の波による制作環境の変化で執筆ペースが落ちたことも理由だ。
「ひとまず、ほっとしたのと若干のさみしさを感じています。多くの漫画家は人物の部分を描いて、背景などはスタッフに任せるけど、私は自分で描く部分が多い。ずっとそうやってきたので、ひとに任せられないというか、こだわりというか。アナログの作業に対応できるスタッフが少なくなり、画材の廃番が増えたりで、そろそろ潮時なのかなと感じていました」
物語を描く熱量が失われたわけではない。ウェブサイトに場所を移し、発表を続ける。すでに第1話が公開され、今夏から本格始動。鉛筆描きによるネーム(絵コンテのような下書き)の形で前例のない挑戦だ。
「ネーム連載が受け入れられ…