オスロにある「7月22日センター」には、被害にあった建物の時計が展示されている=2024年12月7日、藤原学思撮影

@オスロ

 日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)がノーベル平和賞を受けた。授賞に込められたメッセージは「記憶の継承」だと思う。次世代へ「あの日」をつないでいくことの大切さ。記者として、それがメディアの使命の一つとも信じている。

 平和賞を選考するノーベル委員会があるノルウェーの市民にも、忘れられない「あの日」がある。2011年、極右の男がオスロ中心部の政府庁舎前で車両を爆発させて8人を殺害し、さらに近郊のウトヤ島で69人を射殺したテロ事件。その発生日から「7.22」として記憶される。

 オスロの現場近くに「7月22日センター」がある。あの日、何があったかが分刻みで紹介され、遺族や生存者の証言も聞ける。

 展示は生々しい。警官を装っ…

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