サッカーの第103回全国高校選手権大会に、滝川二が兵庫県代表として出場する。29日のニッパツ三ツ沢球技場(横浜市)での1回戦で山梨学院と対戦する。3大会ぶりに全国選手権の舞台に戻れた背景には、再認識した伝統のスローガンがあった。
「『滝二』のサッカーができたんじゃないかな」
選手権を目前に控えた12月中旬。滝川二の小森康宏監督(49)は、ユニバー記念競技場(神戸市須磨区)で先月行われた兵庫県大会決勝を振り返った。
前半11分に退場者が出て、相手より1人少ない状況でも、守り一辺倒にならずカウンターを狙う姿勢を貫いた。延長戦を含めた試合時間100分間を走りきり、スコアは0―0。最後にPK戦を制した。
「怯(ひる)まず、驕(おご)らず、潑剌(はつらつ)と」。チームに受け継がれてきたスローガンだ。
この言葉は、1984年の創部から強豪校へと導いた黒田和生・元監督がつくった。退任した2007年まで6大会連続を含む14回、全国選手権出場。10年度の89回大会で全国制覇した。これまで岡崎慎司さんら日本代表選手が輩出した。
ただ、近年は県内で勝ちきれない場面が多くなった。ライバルの神戸弘陵に加え、芦屋学園、相生学院、今冬の県大会決勝を戦ったAIE国際など、サッカーに力を入れる学校が増えたことが背景の一つにあるという。
昨年12月、黒田元監督のもとで長年コーチを務めてきた滝川二卒業生の小森監督が就任した。すぐに強い時代の選手との違いを感じた。
「受け身の選手が多く、自発…