文部科学省が新年度に、地方の大学の振興を図る新たな部署をつくる方針を固めた。
少子化や過疎の課題を抱える地方では、学生確保に苦しむ大学が少なくない。地域ニーズを踏まえた優秀な人材育成や雇用の創出で若者の定住増を図りたい地元自治体や産業界などと連携を強化し、教育研究機関としての価値向上を後押しする狙いがある。
名称は「地域大学振興室(仮称)」。大学からの相談対応や、地域連携にかかわる政策立案などを担う。
文科省が今の大学入学定員を元に算出した2040年の推計によると、大都市圏以外では、定員充足率が60%を下回る地域もある。
国内大学の将来像について審議している中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の特別部会は「高等教育機関を核とした地方創生の推進」を答申案に盛り込む予定。国のかじ取り機能の強化も指摘しており、同省担当者は「大学は地域の人材育成を担い、地方創生の核になる存在。地方大学の魅力や課題に目を向けた組織にしたい」と話す。