近現代分野の美術品の鑑定について、文化庁は23日、信頼度の高い事業者を文化庁長官が認定する制度を始めると発表した。
日本の美術鑑定は、美術商や鑑定士ら「精通者」が行ってきたが、適正な市場価値と比べて大きな差が生まれることがあった。不安定な市場を資産家らが避けてきたことなどから、世界の美術市場約650億ドルのうち、日本の占める割合は1%にとどまっているという試算もある。
そこで文化庁は価格評価の信頼を上げ、市場の活性化を促そうと透明性・客観性の高い事業者を認定することにした。価格評価の方法のガイドラインも公表。類似した作品を少なくとも3点以上集め比較したうえで評価することなどを定めている。
文化庁は今秋に公募をはじめ、12月をめどに事業者を認定する予定。(田島知樹)