ボーリング調査で採取した円柱状の地層サンプルを確認する原子力規制委員会の審査チーム=2024年6月6日午前、福井県敦賀市、佐藤常敬撮影
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 日本原子力発電が申請している敦賀原発2号機(福井県敦賀市)の再稼働について、原子力規制委員会が7月末にも判断を示す。6月の現地調査を踏まえた審査会合では、論点となる断層の評価をめぐって原電の主張に疑義が相次いだ。規制委の判断によっては、再稼働できずに廃炉を迫られることになる。

 敦賀2号機の審査では、敷地内の「K断層」の評価が焦点となっている。

 東京電力福島第一原発の事故後につくられた新規制基準は、活断層の上に原子炉など重要施設があることを認めていない。規制委は5月までに、K断層について「活断層である可能性を否定できない」との見解を提示。残る論点は、K断層が原子炉建屋まで延びているかどうかという「連続性」の有無に絞られている。

 原電は、K断層が原子炉建屋の北約300メートル付近までしか確認されておらず、原子炉直下には延びていないと主張。規制委は連続性の判断に向け、6月6、7日に現地を調査し原電が採取した地層のサンプルを確認するなどした。

 原電は、原子炉建屋近くの地…

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