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日本原子力発電敦賀原発2号機=2019年7月25日午前、福井県敦賀市、朝日新聞社ヘリから、筋野健太撮影

 日本原子力発電の敦賀原発2号機(福井県)が存続の瀬戸際にある。再稼働に向けた原子力規制委員会の審査で「不許可」となる公算が大きくなっているからだ。廃炉になれば経営の屋台骨を揺るがすため、審査を続けるための手続きをとる検討に入った。原電は追加調査を規制委の判断材料に加えてもらうことで、再稼働への望みをつなぎたい考えだ。

 敦賀2号機は、東京電力福島第一原発事故後の2011年5月に停止。原電は15年、再稼働に向けた審査を申請した。焦点は原子炉建屋の直下に活断層があるか。規制委は26日に結論を出す方針だが、活断層の存在を否定する原電の主張には「科学的、技術的な根拠が乏しい」などと指摘している。原電が否定を証明できなければ、秋にも不許可の判断が下される見通し。再稼働の審査で不許可になれば初めて。

 原電は廃炉を回避するため、新たな調査を盛り込んだ「補正書」の提出や、審査を改めて求める「再申請」などを検討している。それに向けて、電気を送る契約を結ぶ大手電力3社(関西、中部、北陸)の了承を得たい考えだ。

 原電の原発は、東海第二原発…

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