長野県塩尻市役所

 水泳授業の民間委託やAI(人工知能)を使ったテストの採点、清掃のやり方の見直しで、学校の先生の負担軽減を――。長野県塩尻市は2025年度、市立小中学校教員の「働き方改革」を進めるため、様々なアイデアを試し、効果のありそうな事例については他校にも広げる実証実験に取り組む。教員の長時間勤務が全国的に課題になっており、取り組みで生まれた余力を教育の質の向上につなげる狙いがあるという。

 市は25年度一般会計当初予算案に、「学校発働き方改革実証交付金」を創設する費用として150万円を盛り込んだ。

 具体的には、プールが老朽化した市立洗馬小での水泳授業を、民間に委託する。季節や天候に左右されない民間の室内プールで専門のコーチが指導し、教員の負担軽減につながるという。

 市内の教員が一緒にテストを作成し、AIソフトを活用して一括で採点する試みも検討する。校内の清掃についても、ロボット掃除機を導入するなどして掃除の時間の短縮を目指す。市教育委員会の担当者は「清掃道具の見直しで、教員だけでなく子どもの負担軽減にもつなげる。帰宅時間は早められると思う」と期待する。

 17日にあった予算案発表の記者会見で、百瀬敬市長は「モデル的に試してみて、効果を検証し、今後の展開を考えていきたい」と語った。

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