(23日、第154回九州地区高校野球大会1回戦 、長崎日大1―2熊本国府、延長11回タイブレーク)
「ゼロに抑えるしかない」。タイブレークの延長十一回裏、長崎日大のエース西尾海純(みいと)(3年)は自分に言い聞かせた。表の攻撃でチームは得点できず、1点でも失えばサヨナラ負けだ。
先発の三丸悠成(3年)が六回1失点と好投。七回から後を継ぎ、十回まで無失点に抑えた。有効だったのはフォークやカーブ。試合ではあまり使っていなかった変化球だが、この日は低めに決まり、手応えを感じた。
迎えた十一回。2死満塁のピンチで、決め球に選んだのは直球。左翼方向に適時打を放たれ、敗退が決まった。
ここぞの場面で変化球に自信が持てず、「ストレートに頼ってしまった」と西尾。勝負できる球種がもっと必要だと気づかされた。直球も変化球も「コースを狙う練習からやり直します」と前を向いた。(太田悠斗)