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進学や就職で都会に出た「団塊ジュニア世代」も50代に入り、故郷の空き家と向き合い始めている。
「空き家が900万戸といっても、すべてが『のっぺらぼう』の家ではないと思う」
福岡県南部にある市の中心部。役所も近い一角に、不動産賃貸業の男性(50)の実家はあった。鉄筋コンクリート2階建ての一戸建てだ。
法曹関係の仕事をしていた父親が50年前に事務所を併設して建てた。玄関を入って右に事務所、左に応接間、正面に和室や台所がある。
父親は約30年前に亡くなり、男性は大学進学を機に上京した。東京都内で就職し、いまも港区に住む。
実家は母親が一人暮らしてい…