写真・図版
毎週日曜午前10時から放送中の「武田和歌子・・・and Music。」=ABCラジオ提供
  • 写真・図版

 ナイスな音楽に乗せて日曜日の朝を彩る、ABCラジオのリクエスト音楽番組「武田和歌子…and Music。」。パーソナリティーを務める武田和歌子アナウンサー(46)が、9月末で番組を卒業することになりました。前身番組などと合わせて約14年、冠番組を続けてきた武田アナ。ラジオへの思いをしゃべっちゃいます。

コラム「ABC発 しゃべっちゃいます」

 音楽番組は、2001年にABCテレビに入社した時からずっと希望していました。学生時代からずっと音楽が好きで、「オアシス」や「ユニコーン」を聴いていました。とくに「オアシス」に出会った時は、雷に打たれたような感覚でした。

 音楽はいつもそばにあって、支えられてきました。なので、番組名に「…and」を付けることにはこだわっていて。番組名に自分の名前が付くのが恥ずかしかったんですが、たくさんの人が携わってくれて番組を続けてこられました。

 2010年から約10年放送した「武田和歌子のぴたっと。」が初めての冠番組でした。ラジオの右も左も分からず、あたふたする日々。ふがいない自分に落ち込むことも多く、駅のホームのベンチに座って缶ビールを飲み、張り詰めた気を休めたこともありました。今では良い思い出です。

 ある日、一人のリスナーさんがお便りをくださって。兵庫・尼崎の商店街の靴下屋さんでした。「あなたが一生懸命やってることは伝わってるよ。あなたの福々しい声が良いですね」などと書かれていました。

 「福々しい」なんて言葉で褒められたのが初めてで。泣きながら神社の境内でその方にお電話し、お礼を言いました。あのときは本当に救われて、「等身大でやろう」と肩の力が抜けた瞬間でした。

 番組のリスナーは40~50代の、自分と同じくらいの世代の人が多いです。草むしりを終えた人、ランニング中の人、今起きた人――。ご自身の話をお便りにしてくれることで、いろんな人のカラフルな人生をみんなで共有できる。改めてラジオの魅力に気づくことができました。

 9月末で番組を卒業すること…

共有