群馬県が撤去した朝鮮人追悼碑をめぐり、現実の風景に画像を重ね合わせるAR(拡張現実)の技術を活用して、碑の跡地にタブレット端末などをかざすと、ありし日の碑がバーチャルに再現されるアプリの制作が進んでいる。碑は撤去されたが、過去の歴史を消すことはできないとの思いを共有する場にしたいという。
アプリ「AR朝鮮人追悼碑」をつくっているのは、情報科学芸術大学院大学(岐阜県大垣市)の前林明次教授ら3人。前林教授は、さまざまなメディアを活用して、場所の記憶を表現する活動に取り組んでいる。
追悼碑が1月末、県の代執行によって撤去されたことを知った前林教授は「テクノロジーをつかって、実際にあった場所に碑を再現できないか」と考え、バーチャル技術に詳しい知人の研究者に協力を求めた。前橋市在住の美術作家、白川昌生さんから撤去のいきさつを聴いたり、碑の大きさを教えてもらったりして、2月から準備を進めた。
記事の後半では、 「AR朝鮮人追悼碑」のアプリを開発している前林明次教授のコメントを紹介します。
考えついたのがARの活用だ…