日本損害保険協会は19日、損保社員を営業目的で保険代理店に出向させることを禁止する指針を公表した。出向者と代理店との「なれ合い」が顧客の最適な商品選択を妨げるとの懸念を生み、契約者の情報漏洩(ろうえい)といった問題も招いた。損保各社はその他の「あしき慣行」も見直すとしているが、実効性には課題が残る。

 指針では、出向の目的を「業界共通課題への対応」や「代理店の内部管理体制強化」などに限定した。代理店との「関係強化」や契約シェア獲得といった目的での出向は禁じた。出向先での社員の行動についても「自社の保険商品の優先的な取り扱いを誘引するような行為は不可」とした。

 損保各社は、自動車保険や火災保険といった契約のほとんどを代理店経由で販売する。損保にとって代理店は、契約をもたらす「お得意さま」であり、各社は様々な便宜を図ってきた。社員が出向し、代理店の保険業務を担う慣行もその一つだ。

 だが、旧ビッグモーターの保…

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