東京都港区長選で敗戦が濃厚となり、支援者らに頭を下げる現職の武井雅昭氏=2024年6月2日午後11時24分、東京都港区、滝沢貴大撮影

 2日に投開票された東京都港区長選挙で、5期20年務めた自公推薦の現職、武井雅昭氏(71)が、新顔で元区議の清家愛氏(49)に敗れた。自民の推薦が一因になったのではないか――。武井氏を支援した自民の議員からは、そんな声が漏れた。

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 2日午後11時過ぎ、港区大門の武井氏の選挙事務所。最新の開票速報を受けて、陣営幹部が敗北を認めると、固唾(かたず)をのんで見守っていた支援者からは、ため息が漏れた。

 その後、姿を現した武井氏は支援者に深々と頭を下げて謝罪。敗因について、報道陣に「それが、なかなか分からない。とにかく、区民のみなさんがこういう結果を選んだということ」と語った。

 武井氏にとって「これまでにないほど、厳しい選挙」(武井陣営)だった。対立候補に立ったのは、昨年の港区議選でトップ当選した清家氏。もう一人の候補だった新顔の元都議・菊地正彦氏(71)と多選批判を展開された。「多選自粛条例」の制定を公約に掲げられ、多選が最大の争点になった。

 さらに、推薦を受けた自民党は派閥の裏金問題などで、国民から大きな批判を浴びていた。自民の推薦候補は、4月の衆院補選や5月の静岡県知事選、神奈川県小田原市長選などで敗れるケースが続いていた。

自民国会議員は応援でマイクを持たず

 こうした状況を踏まえ、武井…

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