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特定抗争暴力団に指定された絆会の事務所に、立ち入り禁止などを示す標章が貼り出された=2024年6月21日午後1時29分、大阪市中央区

 指定暴力団絆会の本部事務所がある大阪市中央区のビルが、民間に売却されていたことが14日、捜査関係者への取材でわかった。

 このビルは国家公安委員会が絆会の事務所と認定しており、大阪地裁が2023年に組事務所としての使用を差し止める仮処分の決定を出していた。また絆会は昨年6月、指定暴力団の山口組(神戸市)と抗争状態にあるとして、事務所への立ち入りなどの活動を大幅に制限する「特定抗争指定暴力団」に指定されていた。

 登記簿によると、ビルは同区島之内1丁目の5階建てで、昨年12月に中国籍の男性に売却されたという。捜査関係者は「事務所として使えなくなり、売却して組織の資金に充てようとした可能性がある」と指摘する。

 絆会は神戸山口組から分裂し、17年に発足した。兵庫県尼崎市に事務所があったが、18年に使用差し止めの仮処分決定が出た後、大阪市に移転していた。

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