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仮設トイレ製造販売・レンタル「アム」が開発した圧送式水洗トイレ=2024年9月5日午前10時55分、石川県津幡町竹橋西、安田琢典撮影
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 能登半島地震の被災地では、主にレジャーや福祉などの分野で重宝されてきた備品が活躍した。メーカーは災害対応にあたる自治体などへ営業をかける。一方で、個人消費者からの問い合わせも増えているという。

 持ち運びが可能な充電式ポータブル電源やモバイルバッテリーを製造する「EcoFlow」(本社=中国・深圳)は、元日の地震後、被災地に76台のポータブル電源と100個のモバイルバッテリー、電源につなぐ22枚のソーラーパネルを提供した。

 石川県珠洲市の理髪店「ヘアーサロンHEISHI」は、発災から12日後に営業を再開した。断水し、停電している店舗でも再開できたのは、同社のポータブル電源があったからだった。

 洗髪に使う水は、近くの井戸から確保できた。ただ、ドライヤーや電動いすが使えず困っていたところ、ボランティアを通じて、入手できた。

 同店を営む瓶子(へいし)明人さん(41)は「充電機器というとスマートフォンに使うものしか知らなかった。疲れ切った多くの地元の人たちの身なりを、きれいにすることができた」と振り返る。

 2017年創業の同社は、中国だけでなく、日本や欧米など約100カ所の国と地域で事業を展開する。アウトドアブームを受け、電源やバッテリーの製造販売を手がけてきたが、豪雨や地震など災害が頻発する日本国内では、災害対策用の備品として需要が高まっているという。

■高まる水洗仮設トイレの需要…

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