北朝鮮による拉致被害者家族や国会議員らが29日、米ワシントンに向けて出発した。5月3日まで滞在して米政府や議会関係者に会い、拉致問題解決のための理解や協力を求める。
出発前に羽田空港で記者会見した横田拓也・家族会代表は「親世代の家族が存命のうちに全拉致被害者が一括帰国できれば、日本政府による北朝鮮への人道支援や独自制裁解除に反対しない」という新しい運動方針について説明したい、と述べた。さらに「背景にある私たちの苦しい思いや、一方的な譲歩ではないことも伝えたい」と語った。
飯塚耕一郎・家族会事務局長は「状況はむしろ悪くなっている。家族会のメンバーが亡くなっており、高齢の家族にはきわめて重い問題。米国の協力や理解は引き続き重要だ」と強調した。(編集委員・北野隆一)