飯塚容疑者を銃刀法違反容疑で逮捕後、滋賀県警は自宅を捜索した。ダンボールを運び出す捜査員ら=2024年5月30日午後5時47分、大津市仰木の里4丁目、木子慎太郎撮影
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 大津市の民家で5月、レストラン経営で保護司の新庄博志さん(60)の遺体が見つかった事件で、滋賀県警は8日、別の事件で保護観察中で、新庄さんが保護司として立ち直り支援を担当していた無職、飯塚紘平容疑者(35)=同市仰木の里4丁目=を殺人容疑で逮捕し、発表した。「私はやっていませんし、何も答えたくありません」と容疑を否認しているという。

 大津保護観察所の宮山芳久所長は8日、報道各社の取材に応じ「重大に受け止めている。トラブルは把握できていないが、見落としがあったのかなかったのか、検証していく」と話した。法務省によると、保護司が保護観察中に対象者に殺害されたケースは過去にないとみられる。

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 県警によると、新庄さんの死亡推定は5月24日夜。この日、午後7時から自宅で飯塚容疑者と面接の予定だった。遺体は26日午後4時ごろに親族が見つけた。

 飯塚容疑者の逮捕容疑はこの間に、大津市仰木の里東6丁目の新庄さん宅で、1人で住む新庄さんを刃物で複数回突き刺して殺害したというもの。面接の予定と同じ時間帯に、新庄さん宅を訪ねてきた飯塚容疑者の姿をカメラ付きインターホンで確認したという。

 新庄さんの遺体には刺し傷や切り傷が10カ所以上あり、身を守ろうとしてできたとみられる傷もあった。司法解剖の結果、死因は出血性ショックだった。

 飯塚容疑者の母親が5月27日に「(容疑者が)24日午前に外出してから家に戻ってきていない」と大津北署に届け出ていた。飯塚容疑者は28日深夜、大津市内の路上で刃体6センチを超えるナイフをリュックサックの中に持っていたとして、銃刀法違反の疑いで現行犯逮捕された。

 飯塚容疑者は2019年6月、コンビニ強盗事件で、大津地裁から懲役3年、保護観察付き執行猶予5年の判決を受けた。同7月に判決が確定し、新庄さんが担当の保護司となった。(鈴木洋和、仲程雄平、関ゆみん)

執行猶予期間、終わる直前

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