北方領土の択捉島をサハリン州で事実上管轄するクリル地区行政府のアンナ・オシキナ地区長が16日、辞任した。昨年12月に前任地区長のワジム・ロコトフ氏が今年2月までの任期を残して辞任した後、4月に地区長に就任したばかりだった。
辞任の理由は「家族の事情」で別の場所に転居するためという。公募で次期地区長が選ばれるまで、刑事罰執行庁や択捉島駐留ロシア軍での勤務経歴を持つコンスタンチン・イストミン第1副地区長が職務代行を務める。
約8カ月の在任期間も異例だが、オシキナ氏の地区長就任にも、曲折があった。同氏は前地区長の辞任直後に第1副地区長から地区長の職務代行に任命された。しかし、不調に終わった後任地区長の2度の公募には自ら候補者に名乗り出ず、3度目の選考でやっと就任を承諾した。
背景には、地区行政府の深刻な財政状況がある。
サハリン州のネットメディア…