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虚偽の死亡診断書を遺族に示して患者間の殺人を隠したとして、青森県八戸市の「みちのく記念病院」の元院長ら2人が犯人隠避容疑で逮捕された。捜査関係者によると、青森県警に容疑を否認しているという。地域医療の受け皿として、必要性を認められてきた病院で何が起きていたのか。不適切な運営がされていなかったか行政も実態解明を進める。
「医療のあり方そのものが崩れかけていると感じた」。八戸市医師会の幹部は、同病院での犯人隠避事件を受けてこう話した。
元院長の石山隆容疑者(61)と弟で医師の石山哲容疑者(60)の逮捕容疑は共謀し、入院中の男が同室の男性を殺害した犯人だと2023年3月13日に知ったのに、男性の死因を「肺炎」とする虚偽の死亡診断書を遺族に示すなどして、犯人を隠避したというもの。捜査関係者によると、2人は容疑を否認しているという。男は前日夜に男性を歯ブラシで襲っていた。逮捕容疑以外にも、不適切な運営があった可能性が浮上している。
捜査関係者などによると、同病院の病床数は413床(うち精神病床は274床)で入院患者は約270人、昨年4月時点で非常勤も含めた医師は約20人、看護師は約80人だった。
200枚以上の死亡診断書、7割が「肺炎」
死亡診断書は、認知症の症状…