阪神対広島 四回裏阪神2死二、三塁、近本光司は勝ち越し適時打を放つ。投手大瀬良大地=日刊スポーツ

 (13日、プロ野球 阪神タイガース7―3広島東洋カープ)

 打ってよし、走ってよし。それでいて選球眼もいい。阪神の近本光司は、頼もしい1番打者だ。

 まずは、その「目」が光る。1点を追う二回2死満塁。1ストライクから、4球連続で際どい球を見極める。バットを一度も振らずに押し出しの四球を選び、流れを引き戻した。

 四回2死二、三塁の場面では一転、積極的に出た。初球の高め速球を中前へ運ぶ。リーグ最多、146本目の安打となる2点適時打で勝ち越した。「気持ちを入れて振り、1球で仕留められた」。すかさず二盗も決め、こちらもリーグ最多の盗塁数を18に伸ばした。

 「暑いのはそこまで嫌いじゃない」。8月の25試合で計39安打、打率3割9分をマークし、6年目で初の月間MVPを獲得した29歳は、そう笑う。暑さを乗り切るために、「お風呂に5分でも10分でもつかることを心がけている」。野球のことを忘れ、リラックスできる時間だという。

 残暑が続く9月も元気いっぱいだ。この日は五回にも押し出しの四球を選び、計4打点。広島とのゲーム差なしの直接対決を制した。

 優勝争いで、ひりつく試合が続くが、リードオフマンは、この状況を楽しんでいるように感じる。「こんなシーズンはなかなかない。チーム一丸となって勝ちを積み上げていけたら」。2位に浮上し、標的は一つに絞られた。全力で巨人の背中を追いかける。(山口裕起)

 岡田監督(神) 先発全員安打の13安打で7得点。「どこからでも点が取れるということ。これを続けていかないと」

 森下(神) 七回、左翼席に16号ソロを放ち、4試合連続本塁打。「いい形でスイングができている。続けていきたい」

 高橋(神) 六回途中3失点で4勝目。「二回以降は修正できた部分もあったので、もっと長いイニングを投げたかった」

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