手足や口に発疹のできる「手足口病」が流行している。国立感染症研究所によると、全国の定点医療機関から報告された直近1週間(9月30日~10月6日)の患者数は1カ所あたり8・62人。同時期としては過去10年で最多となっている。夏に流行する代表的なかぜの一つとされているが、今年は10月になっても患者が増えており、注意が必要だ。
都道府県別では、愛媛23・64人、山形22・54人、宮城22・00人、富山21・32人、福島16・82人、香川15・04人と多く、39都府県で警報レベルの「5人」を超えている。首都圏でも千葉11・77人、神奈川11・06人、埼玉11・01人、東京10・06人と多くなっている。
手足口病は、くしゃみやせきのしぶきのほか、ウイルスがついた手で目や鼻、口を触るなどして感染し、発熱のほか、口の中や手のひら、足の裏などに発疹ができる。まれに脳炎などを起こすこともある。症状が治まった後も、数週間は便からウイルスが排出される。
原因となるエンテロウイルスには複数の種類があり、今年患者が多いタイプは、発疹が顔やおなかなど手や足以外にも出ることが多いという。
通常は夏に流行する感染症で、今年も6~7月に患者が増加し、8月中旬にかけていったん減少した。だが、そこから再び増え始めた。
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患者は2歳以下の子どもに多いが、今年は3歳以上や小学生でも比較的患者が多いという。感染症に詳しい長崎大学の森内浩幸教授(小児科学)は「新型コロナウイルスが流行したここ数年、手足口病の患者が少なかった。年齢が高い子どもでも免疫を持っていないことが多いことが流行が続く原因の一つと考えられる」と指摘する。
手足口病には治療薬はないが…