強迫性障害という病気をご存じでしょうか。手洗いを繰り返したり、戸締まりをしたか気になって何度も確認したり、症状は様々で、50人に1人の割合で発症するとされるメンタル疾患です。幼少期からこの病気に苦しんだ23歳の女性が、このほど自身の体験をもとに映画を制作しました。「強迫性障害について、少しでも知ってほしい」と訴えています。
映画を作ったのは、兵庫県在住の福原野乃花(ののか)さん。大阪芸術大学短期大学部メディア・芸術学科の映像コースで学んだ後、映画「悠優(ゆうゆう)の君へ」の制作に着手、脚本・監督を務めた。映画は10月11日に公開される。
福原さんが、強迫性障害を発症したのは7歳のとき。「汚い物」が気になりだし、長時間手を洗うようになった。体全体が汚いように思え、風呂も長くなった。
「自分の手や体が汚ければ、だれかを病気にしたり、死に至らしめたりするかもしれない」。そんな思いが、頭を支配するようになった。いわゆる「加害恐怖」だ。
同時に、無意識のうちに「うっとうしい」「死ね」などの汚い言葉が頭に浮かぶようになった。「本心とは違う」と打ち消そうとすると、逆にそのメッセージが強くなっていった。
「心の汚い自分」きれいに
手や体を洗うことで、そんな「心の汚い自分自身」をきれいにしようという思いもあった。
中学・高校に進むと、症状は…