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ウクライナ市民の声 ロシアの侵攻から3年

連載「ウクライナ市民の声 ロシアの侵攻から3年」①

 ロシアによるウクライナ侵攻から3年。トランプ米大統領の就任後、停戦に向けた動きが進む。だが、命や領土、自由を奪われている人々の思いは、どれだけ反映されるのか。戦時下に暮らす市民の声に、耳を傾けたい。

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ロシアによるウクライナ侵攻から3年。戦争で引き裂かれ、交わる機会を失った二つの国で、同じ問いにそれぞれの立場から答えてもらった。

ディアナ・ティウティナさん(15) 北部チェルニヒウ出身 「青春時代を壊したロシア」

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ディアナ・ティウティナさん=2025年2月11日、ウクライナ北部チェルニヒウ、藤原伸雄撮影

 戦争が始まったとき、私はまだ12歳でした。親は仕事の都合でウクライナを離れられず、私は開戦直後から5カ月間、ドイツのある家庭に住まわせてもらいました。とても優しい人たちで、「ひとりではない」と感じました。

 自宅のある北部チェルニヒウは侵攻直後から約1カ月、ロシア軍に包囲されました。ドイツから戻ると、街は姿を変えていました。

 私はずっとスマホをいじっているタイプですが、ふと手を止めて、壊れたままの中心部のホテルを見る度に思うんです。「ああ、私は戦時下に暮らしているんだ。戦争は、まったく終わっていないんだ」って。

 すべてのロシア人に、ウクライナ領から出ていってほしい。ひどい、とんでもない国に、さっさと帰ってほしい。私の青春時代を壊したロシアを「国家」とすら言いたくありません。

 戦争前の暮らしがどんなもの…

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