今年も台風が次々と日本を襲うなど、気候変動に連動した災害が、安全保障上の深刻な問題として浮上しています。14日からシアター・イメージフォーラム(東京都渋谷区)などで公開が始まるフィリピン映画「たとえ嵐が来ないとしても」は、2013年11月、フィリピン中部タクロバンなどに甚大な被害をもたらした台風ハイエンを扱った作品です。タクロバン出身で今月来日するカルロ・フランシスコ・マナタッド監督は「災害は希望を奪い、悲しみをもたらす。希望を与える映画を作りたかった」と語ります。
――ハイエン上陸当時、どこにいたのですか。
大学卒業後にタクロバンを離れ、マニラで映画編集の仕事に携わっていました。フィリピンでは、台風は日常茶飯事ですが、ハイエンがタクロバンを襲ってから家族や知人と音信不通になりました。民間機はすべて運航停止になったので、被災地に救援物資を運ぶ軍用機に乗せてもらい、タクロバンに行きました。
■生まれ育ったタクロバン す…