性的少数者(LGBTQ+)や支援者らが集う国内最大級のイベント「東京レインボープライド」。パレードには約2千人が参加した=2022年4月24日、東京・渋谷、川村直子撮影

 性的少数者(LGBTQ+)や色覚が通常と異なる人など、いわゆる「マイノリティー」の人が身近にいる確率を、ほとんどの人は実際よりも著しく小さくとらえる傾向があることが、新潟大の新美亮輔准教授(認知心理学)の研究でわかった。「周囲にそうした人はいない」という思い込みが、マイノリティーへの理解や配慮の不足を招いている可能性も示された。

「マイノリティーがクラスに1人でも」

 仕事紹介サイトに登録している人を対象にオンラインでアンケートをし、18~76歳の計429人の回答を分析した。

 同性や、同性と異性の両方を好きになる同性愛者と両性愛者について、日本のある大学での調査結果をもとに「大学生の7%が該当すると言われています」としたうえで、クラスなどの集団を想定し、「30人の大学生の中に同性愛者・両性愛者が1人でもいる確率は何%だと思いますか」と聞いた。

 すると、最も多くの人が回答した確率は「2%」。ほかにも10%を下回るとする回答が目立ち、中央値は3%。回答者の約9割は、実際の確率よりも小さくとらえていた。

最多の回答は「2%」 でも正しくは……

 この場合の実際の確率は、まず30人の全員が同性愛者・両性愛者ではない確率を求めて、その数値を1から引くことで導くことができる。

 7%が該当する場合を計算す…

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