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性犯罪の公訴時効撤廃を訴えたマシュー・マクバリッシュさん(右から2人目)とサバイバー評議会について語ったミエ・コヒヤマさん(右端)ら、海外から参加したサバイバーと支援者=2024年11月19日午後3時29分、東京都千代田区、大久保真紀撮影

 子どもへの性暴力を防止するには何が必要なのか。海外で活動するサバイバー(性暴力被害当事者)ら4人が来日し、「子どもの権利条約」の採択を記念した「世界子どもの日」(20日)を前にした19日、東京・永田町の衆院議員会館で集会を開いた。EUに広がる性犯罪の公訴時効撤廃の動きや当事者の声を政策に反映させる取り組みについて、国会議員も交えて議論した。

 英国から参加した人権活動家のマシュー・マクバリッシュさんは「時効は被害者が告訴するのをやめさせるものであり、被害者の権利より加害者の権利を守るものだ」として、公訴時効撤廃の必要性を説いた。

 マクバリッシュさんは幼いころに、教師だったおじから性被害を受けた。忘れて人生を歩もうとしたが、25歳のときに、多くの子どもたちに加害をしてきたおじがまだ学校で働いていることを知り、警察に通報。おじは逮捕され、刑務所に送られた。

 しかし、おじが他国で同じことをした場合は時効により逮捕されないという事実を知り、マクバリッシュさんは2013年から「変革への道プロジェクト」を始めた。ロンドンから徒歩でEUのすべての首都を2年かけて訪問し、各国政府に時効の撤廃を求めた。

 欧州評議会などにも招かれて…

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