ある場所では昔ながらの食材、ある場所では厄介者。そんな水草について考える「サミット」が開かれた。70人ほどの小さな集まりだが、商品や観光などへのさまざまな活用事例が報告され、情熱はヒシヒシと伝わる場となった。
「地域資源のヒシ(菱)を通して、地域の活性化につなげられないか、考える一日にしたい」
1日、佐賀県神埼市役所の一角で、西九州大健康栄養学部の安田みどり教授が、そうあいさつし、「全国ヒシサミット」は始まった。
水草であるヒシは神埼市に張りめぐらされている「クリーク」と呼ばれる農業用水路に自生し、地元では昔から食用として親しまれていた。栗に似た味や食感が特徴で、ハンギーと呼ばれる大きなたらいに乗って収穫する様子は秋の風物詩だ。
神埼市では、十数年前から市内にキャンパスを置く西九州大など産学官が連携する。ヒシの皮に抗酸化活性のあるポリフェノールが含まれ、健康への効果が期待できることが安田教授の研究でわかり、地元に昔からあるヒシの一種、ワビシを活用したお茶や菓子が生まれた。
名産にピンチ、学生が一役
だが、いま神埼のヒシはピン…