引退後にやってみたい仕事の第1位は会社経営者――。日本野球機構(NPB)が今月「セカンドキャリアに関するアンケート」の結果を発表した。会社経営者がトップになるのはここ5年で4度目だ。
一方、昨年オフに引退または戦力外通告を受けた選手153人に対するNPBの進路追跡調査(4月22日現在)によると、「自営(家族経営を含む)・起業」は0・65%。NPBの球団職員やコーチなど野球関連の進路が91・5%だった。選手の希望と現実がかけ離れていることがデータからうかがえる。
イチゴ農家の経営者として再出発した元中日投手の三ツ間卓也さん(31)は経営者への道のりは多事多難だったといい、「野球以外の業種を仕事にするなら、全てを懸ける覚悟が必要です。少しでも野球に未練があるなら球界に残った方がいい。経営者は、その道のプロになるということ。片手間では無理です」と話す。
- 筒香嘉智が経験した「生きるか、死ぬか」の4年間 繰り返した覚悟は
三ツ間さんは健大高崎高(群馬)から高千穂大、独立リーグを経て2015年の育成ドラフト3位で中日へ入団し、16年に支配下登録された。主に中継ぎ投手として通算6年間で77試合に登板し4勝3敗15ホールドの成績を残した。
コロナ禍の20年は、プロ野球選手が感染するたびにメディアで騒がれたため、外出を控えた。当時、幼稚園が休園になっていた息子の気晴らしに始めたのが自宅ベランダでの家庭菜園だった。
「色々作ったのですが、息子は赤くて甘いイチゴが目についたようで『パパの作ったイチゴ、おいしいよ』と言ってくれたんです。それがうれしくて、どんどん増やしていった」
趣味を仕事にすると決心でき…