元オリックス球団職員で、現在はフリーアナウンサーの大前一樹さん(63)と、朝日新聞スポーツ部のオリックス担当・高橋健人記者が対談する「オリいったお噺」。今回は引退を決断したT―岡田選手と安達了一選手について語り合います。
- 笑顔の裏で「ずっと怖い」 前を向くために、オリックスの安達了一は
高橋 チームの野手最年長で36歳のT―岡田(岡田貴弘)選手と安達了一選手が今季限りで現役を退きます。低迷期も支えてきた生え抜きの2人にねぎらいの声が多く挙がっています。
大前 T―岡田選手が本塁打王をとったのが高卒5年目の2010年。登録名をT―岡田にした最初のシーズンでした。岡田貴弘時代は印象的なホームランが多かったので必ず出てくると言われていたところで開花した。10~12年の岡田彰布監督(現阪神監督)時代のとき、記者に「(T―岡田選手は)おしおきの4番(起用)よ」と言っていたのを思い出します。
高橋 発奮させる言葉ですね。
大前 岡田監督に電話して「ご苦労さん」と言われて報われたと、10日の引退会見で話していました。なるほどなと。11年には飛ばない統一球になって、それまでのノーステップ打法じゃホームランが打てなくなる不運もあった。「去年より良い数字」「キャリアハイをめざす」と一貫して言っていました。常にホームランを求められるプレッシャーの中でしんどかったと思う。
■T―岡田がこぼした本音「嫌になってくる」
数年前、けがでキャンプで出…