写真・図版
ノーベル平和センターで展示される、内田栄一さん作「血まみれとなった兵士や看護婦たち」=広島平和記念資料館所蔵

 12月10日にノルウェー・オスロである日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)のノーベル平和賞授賞式に合わせ、現地のノーベル平和センターで被爆者の描いた「原爆の絵」が展示される。広島平和記念資料館が11月26日、提供する絵の画像データを発表した。

 展示されるのは、逃げ惑う被爆者や黒こげになった遺体を描いた13点の絵。現地ではポストカード大に印刷され、来館者が実際に手にとって見ることができるという。展示期間は12月11日~2025年11月中旬の予定だ。

 今年11月7日にセンターから資料館に資料提供の依頼があった。13点の絵については「原爆の惨状の様々な側面が伝わるか」「視覚的な印象の強さ」などを考慮し、センター側が選んだという。

 2017年に国際NGO「核兵器廃絶国際キャンペーン」(ICAN)が受賞した際には、資料館から防空ずきんなどの被爆資料を貸し出した。今回は展示開始までの期間が短く、まずは画像データを送ることにしたという。資料館の担当者は「被爆の実相を発信するまたとないチャンス。現物の被爆資料を追って貸し出すことも検討している」と話した。(魚住あかり)

共有